素材のこと

素材のこと・秋

栗の渋皮煮モンブラン

粒の大きな栗が出はじめたら、栗仕事のはじまりです。小さめのは、栗ごはんにしますが、大きいのは渋皮煮にします。秋は、これでモンブランパフェを。もともとは、ルスティクの設計をお願いした建築家の誕生日プレゼントに、他にはないものをと思って作りはじめたもの。いまでは秋の定番となりました。

つくり重ねるうち、栗のストレートな味わいと香りをできるだけ残したいという気持ちが、年々強まっています。いま、シェフが思い浮かべているのは、ひと口食べた瞬間「わあー、栗だ!」と感激したというあの味。岐阜県中津川の名物、栗きんとんです。

フランス菓子らしいコクと甘さを残しながら、地元の栗が素朴にいきる風味に。フランスと日本が出会う味をデザートにも。栗の渋皮煮のモンブランがメニューに載るのは、9月半ば~12月頃までです。年によって変わるため、お問い合わせください。

秋、シェフの手仕事
秋、シェフの手仕事

秋、シェフの手仕事

ルスティクの渋皮煮は、栗のいがを燃やして灰にし、渋抜きをします。もとは、シェフのおばあさんがやっていた方法でした。ふと思い出して取り入れてみたところ、一般的な重曹を使う方法よりも、渋が抜けすぎないのがいいのか、栗らしさがしっかり出るように思います。

いが集めから、燃やして灰にし、さらに渋抜きを繰り返し、と行程のおおい栗の仕事ですが、やっぱり季節になるとつくりたくなってしまうのは、お客様のよろこぶ顔を見たいからかもしれません。

秋、シェフの手仕事

フレンチでごはん。

フレンチレストランでは、ふつう、メインディッシュで終わり、あとはデザートにいくのですが、ルスティクでは土鍋で炊き上げたごはんをお出ししています。フレンチで〆がごはん?と不思議に思われるかもしれませんが、理由は単純に、シェフがお米好きだから。蓋を開けた瞬間の、かぐわしいごはんの香り、いいですよね。

ヒントは、郷土食から。
ヒントは、郷土食から。

ヒントは、郷土食から。

大好きなお米と、こだわりの農家さんによる野菜を組み合わせた、ルスティクらしい一品。

京都の郷土食でもあり、収穫を祝う秋じまいにつくる、根深めしにインスピレーションを得ています。新米とねぎを一緒に炊き、ねぎのなかに米粒がたくさん入っていたら、身の回りによいことがあるといわれます。これをフランス料理にアレンジし、季節ごとに旬を迎える野菜を用いて、炊いています。ねぎの風味がいきる、ルスティク流根深めしは、秋の終わりから冬にかけて登場します。

みずからお米づくり

好きが高じて、みずからお米作りもしています。

もともと実家は農家で、こどもの頃から手伝っていました。代掻き、雑草取り、お米作りには、手間も時間もかかる作業がおおいですが、体が覚えているのか、やり出すと自然と身体が動くのです。お米作りは料理をするのとは違った、たのしさがあると思っています。

みずからお米づくり